免疫抑制剤 プログラフって?
今回は自己免疫疾患に使われるお薬についてのお話。
自己免疫疾患とは
免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気
原因は不明で、免疫系の機能を抑制する薬がしばしば使われます。この一つに
プログラフという薬があります。
私の娘は膠原病の皮膚筋炎から間質性肺炎を発症し,現在もこのプログラフを服用しています。
特殊な薬ですので副作用が出ると家族みんなでオロオロ状態です。
注意することがたくさんあり、病院ではあまり心配しなくていいことも自宅へ帰ると結構大変です。
細かいことは自分で調べて対処しないといけません。
退院前に主治医や看護師さんから自宅での過ごし方や注意点などの話はありますが、
それだけでは全然足りない!
そこで我が家が経験した副作用や日常生活についてお話します。
まずプログラフについて
一般名はタクロリムス水和物[自己免疫疾患用剤」
タクロリムスは1984年に茨城健つくば市の土壌で分離された放線菌の代謝産物
として発見日本では最初に使われたのが1993年肝移植における拒絶反応の抑制
に用いられました。
日本で開発された薬で使い始めて間もないもがビックリ!ですよね。それから色々研究が
なされ膠原病でのプログラフガイドラインが出てきだしたのがH23年頃 まだまだ新しい薬
です。今まさにどんどん症状が改善したり、今までは間質性肺炎であっという間に死に至る
症例がたくさんありましたが、わが娘の主治医曰く
「ここ2~3年の間でも治療の効果が格段に上がってるきちんと治療すれば死に至る病気では
なくなってきている。」
と言われていました。ひと昔前の膠原病の文献を見ても予後不良だとか、5年生存率が30%
だとか怖いことが書かれています。治療方法や薬など日々医学は進歩しています。きっと
5年後には生存率が変わっていることでしょう♪
でもよく効く薬だからこそ副作用や用途の十分気を付ける必要があります。
ではまず薬の事から
作用効能
免疫に関与するT細胞に作用し、炎症に関わるサイトカインの生産を
抑えることにより炎症を抑え、重症筋無力症の筋力低下の症状や、
関節リウマチ・ループス腎炎・難治性大腸炎皮膚筋炎に合併する
間質性肺炎などの各種症状を改善する。臓器移植後の拒絶反応を抑える
服用に際しての注意事項
1. 服用する直前に包装から取り出して服用する
どうして? ~高温や湿気や紛失を避ける為~
2.必ずコップ1杯の水またはぬるま湯で服用する
どうして? ~十分な量の水できちんと胃の中に入れる・濃いジュースや
コーヒーなどは胃の中で消化吸収する時間が水と異なる。
薬の吸収に個人差があり服用する条件を同じにする為~
3.自身の判断で量や回数を変更したり、服用をやめない
どうして? ~勝手に薬をやめたり減量したすると、急激に症状が悪化
することがある為~
4.飲み忘れに築いた場合
1日1回服用:気が付いた時できるだけ早く1回分を飲む
1日2回服用:1回目は気が付いた時できるだけ早く1回分を飲む。
2回目は5時間以上開けて服用する。
どうして? ~2回分をまとめて飲むと血中濃度が急激に上がり重篤な
副作用が出ることがある為~
5.誤って多く飲んだ場合すぐに主治医へ相談する。
どうして? ~明日でいいや!と先延ばしにすると危険!目には見えない
けどぐんぐん血中濃度が上がってます。突然強い副作用が
出現ということもある為~
6.グレープフルーツ(ジュースも)や一部のかんきつ類(ブンタン・八朔)
と一緒に飲まない
どうして? ~薬の作用が強くなる為~
7.セイオウオトギリソウ(セント・ジョーンズワート)を含む健康食品と
併用しない
どうして? ~作用が弱くなる為~
セイオウオトギリソウはハーブとして売られていますが、
一般ではなかなかお目にかかりません。サプリや健康食品のなかに
含まれていることがありますので裏の含有内容をよく見て判断を!
薬の説明だけでもちょっと怖いですが、よく知ることで不安が少しずつなくなってきます。
特殊な薬を使う専門医は慣れているのでサラリ~と説明しますが、一般人には不安でしかない!
プログラフは薬の吸収に個人差がある
定期的に血中濃度を測りタクロリムス15~30ng/mL内におさまるように薬を調整しますが、
先月は基準内だったのに今月は一気に上がってる!なんてこともあります。
次回からはプログラフの量と副作用や日常で気を付けていることを少しずつお話していきます。
ただ個人差があるのですべての人に当てはまるとは限りません。ちょっとした参考にして
いただければいいなあと思います♪
ではまた♡